債務整理すると、マイホームはどうなる
自己破産ではマイホームを失う
債務整理には、自己破産という手続きがあります。
この自己破産には、どんなに多額な借金でも、ゼロになるというメリットがあります。
その代わりに、マイホームは差し押さえとなってしまいます。家族も一緒にマイホームから、引っ越ししないといけないのです。
個人再生では、マイホームを残せる
どうしてもマイホームを失うのでは困るという場合は、個人再生を選ぶという方法があります。
住宅ローンの返済中であっても、個人再生なら住宅ローン特則にて、差し押さえされずに手続きする事が可能なのです。
この住宅ローン特則を利用するには、次のような条件を満たす事が必要です。
- マイホーム購入資金の為、分割払いの住宅ローンを組んでいる
- マイホームに、金融機関や保証会社の抵当権が設定されている
- 不動産担保ローンなど、住宅ローン以外の抵当権が付いていない
- 別荘やセカンドハウスではなく、本人所有のマイホーム
住宅ローンの返済を何か月も滞納すると、保証会社が住宅ローンを提供する金融機関に、弁済を行います。
金融機関から保証会社へと債権者が移り、今度は保証会社が住宅ローン利用者に請求を行います。
この代位弁済から6か月以上過ぎると、住宅ローン特則の利用が出来なくなります。
住宅ローンは金利が低くても、高額な融資となる為、毎月返済の負担が大きいです。
個人再生を検討している時は、住宅ローンの滞納には注意が必要です。
個人再生で、どれくらい借金が減るのか
個人再生では借金総額に応じて、最低弁済額が変わるという仕組みがあります。
- 借金総額100万円未満では、借金全額が最低弁済額
- 100万円以上500万円未満では、100万円が最低弁済額
- 500万円以上1500万円未満では、その借金総額の5分の1が最低弁済額
- 1500万円以上3000万円未満では、300万円が最低弁済額
- 3000万円以上5000万円以下では、その借金総額の10分の1が最低弁済額
1000万円という多額な借金があっても、200万円と大幅に減るのです。
あとはその借金を、3年で分割返済していきます。
特別な事情がある場合は、5年の分割返済が認められる事があります。
その代わりに、住宅ローン特則を利用する場合、住宅ローンについては、今まで通り返済する事が必要です。
住宅ローンの残高や、毎月の返済額は変わらないのです。
その為、住宅ローン以外の借金が大幅に減れば、住宅ローンの返済は何とか続けられる、という方に適しています。
個人再生後に、分割返済が困難になったら
個人再生後の、分割返済が困難になってしまっても、再生計画の変更により救済されます。
給与やボーナスのカット、病気や怪我により働けなくなったなど、止むを得ない事情がある場合のみ、再生計画の変更が可能です。
再生計画の変更では、弁済期間が最長2年間延長されます。最低弁済額については、変更出来ません。
その他にも、ハードシップ免責という救済策があります。
ハードシップ免責では、4分の3以上弁済していれば、残りについては免除されます。
あと少しで分割返済が終了するのに、何らかの事情で困難になった、という時でも大丈夫です。
個人再生は弁護士に依頼
個人再生は、自分で手続きしようとしても困難です。
弁護士なら債務整理の専門家であり、個人再生の手続きをスムーズに進ませる事が可能です。
その代わりに、弁護士に費用を支払する事が、必要となります。
過払い金請求や自己破産などの手続きと比べると、比較的費用が高めです。
過払い金請求では、初期費用ゼロ円、報酬金は取り戻せた過払い金から20%ほど、という弁護士事務所があります。
自己破産では、20万円から40万円ほどの費用を設定する、弁護士事務所が多いです。
個人再生では、住宅ローン特則を利用した場合、50万円ほどの費用がかかってしまいます。
弁護士費用の他にも、申立費用3万円、再生委員への報酬15万円ほどの、費用がかかります。
弁護士事務所によって費用が異なる為、相談した時にどのくらいの費用がかかるのか、聞いて下さい。
個人再生が適しているか、分からないという方でも、弁護士に相談すると適切なアドバイスが受けられます。