債務整理したのに、借金生活に逆戻りする危険性
借金返済に苦しむ人にとって、債務整理はありがたい救済措置です。
債務整理する事で、苦しかった返済負担が軽減され、返済に追われる毎日から、脱却する事が出来ます。
経済的に余裕が生まれるので、生活再建のきっかけもつかめ、新たなスタートを切って、人生をやり直す事が出来るでしょう。
しかし残念な事に、債務整理をしたのに、再び借金生活に逆戻りしてしまう人は、少なくありません。
せっかく新たに人生をやり直すチャンスを、債務整理でつかめたのに、自らチャンスを手放すような事をしては、いつまで経っても借金生活は終わりません。
せっかくつかんだ、やり直しのチャンスを手放してしまうのは、なぜなのでしょうか?
債務整理後の生活に、どんな落とし穴が待っていたのでしょうか?
任意整理では、借金は無くならない
よくあるのが、任意整理をしただけで、借金が返せたような気になってしまうケースです。
債権者との話し合いで成立する任意整理では、返済負担は軽くなるものの、借金そのものが無くなるわけではありません。
返済期日の見直しや、将来利息のカット等の、返済負担軽減措置はあるものの、計画的に返済を続けて完済を目指すのが、任意整理の大原則です。
それなのに、任意整理が成立しただけで、借金が返せたような気になってしまい、気の緩みから金銭関係が再びルーズになってしまう人は、少なくありません。
任意整理で、借金問題が完全に解決したわけではなく、あくまでも解決の見込みが出来たに過ぎません。
これから返済が始まるのに、金銭感覚がルーズになってしまっては、いくら返済負担が軽くなったとしても、再び借金生活に逆戻りしてしまいます。
弁護士に相談した時は、借金解決の為に必死だったのに、任意整理が成立した途端に、苦しかった日々の事を忘れてしまっては、債務整理しようと借金問題が、解決するはずがありません。
任意整理は、新たな返済生活のスタートである事を忘れず、再び借金する事のないよう、計画的にお金を遣う事が重要です。
自己破産は、一度きりの最終手段
滞納した借金がかさみ、任意整理ではとても債務整理が追いつかないところまで、追い込まれてしまったら、自己破産を選択するしかありません。
自己破産は債務の全額免責という、最も強力な効果を持つ債務整理手続きであり、人生を一からやり直す事が出来る、最終手段とも言える方法です。
自己破産が成立すれば、滞納していた借金は帳消しになります。
返済に追われていた借金は、ゼロになりますから、返済に追われる事なく、いちから再出発を切る事が出来ます。
気をつけなければいけないのが、自己破産は一度きりの最終手段であり、二回目の救済は期待出来ません。
ルール上は、一度目の自己破産から7年以上経過すれば、自己破産申請出来ますが、一度自己破産の申立が認められていると、二回目は裁判官の心象も悪くなるので、審査は非常に厳しくなります。
前回と同じような状況では、自己破産が成立する可能性は、かなり低くなってしまいます。
自己破産は債務に苦しむ人にとって、大きな助けとなりますが、一度きりの最終手段であり、乱用する事は出来ません。
借金がゼロになったからといって、甘えていると再び借金生活に逆戻りです。
自己破産は、人生のスタートラインに戻る事は出来ますが、裕福になったわけでも余裕が出来たわけでもありません。
以前と同じような感覚でいると、あっという間に生活は破綻します。
緩んだ金銭感覚を引き締め直し、甘い考えを捨てて、生活再建を目指してください。
過払い金が油断を生む
債務整理以外の借金解決法が、過払い金返還請求です。
弁護士と協力して、過払い金を取り戻して返済に回せば、長く苦しめられた借金を完済した上に、手元にお金が戻ってくる事もあります。
人によっては、数十万円の現金が戻ってくる事もありますが、過払い金が戻ってきた事で気が大きくなってしまうと、借金生活に逆戻りする可能性があります。
取り戻せた過払い金を、有効に使えるかどうかが、人生の大きな分かれ道です。
無駄に浪費するような事は避け、今後の生活に良い影響を与えるような、実りある使い方で生活再建に役立てましょう。